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2016/03/17

「なごり雪」歌詞の意味

「汽車を待つ君の横で 僕は時計を気にしてる」
なぜ、時計を気にしているのか……深い理由。

そもそもこの二人は付き合ってない。
この歌からは、
「恋人と別れるのが辛い…」というのは伝わってこない。
生まれ育った場所を離れるのを寂しく思う気持ちは、
歌詞に現れている。
「東京で見る雪はこれが最後」
「東京で降る雪」とは言っていない。
ようするに、
次に雪を見る時は、東京じゃない、どこか別のところにいる…っていう、しんみりした気持ち。
ついでに言うと「あなたと見る雪」とも言ってない、
「二人で見る雪」とも言っていてない。

時計を気にしてるってことは、ソワソワしてるってこと。
もし付き合ってるんだったら、遠距離恋愛の準備なり話し合いは済んでるはずだから、
ソワソワじゃなくて、いよいよかぁ…みたいな、なんだろ…そんなに慌てる場面じゃない。
気持ちを確かめあってる二人なら、落ち着いて構えていられるはずだからね。

幼いころから当たり前のように一緒にいた人と、離れる事になって初めて、
大切なものを失おうとしていることに「僕」はようやく気付いたんだ。
同時に、自分は男で、おさななじみは女だったんだってことに、離れることになってようやく気付いた。

おさななじみの「君」を、「僕」が駅に見送りに行ったら、
お化粧をして旅支度をして少々うったった(←熊本弁!)「君」は、ドキッとするほどきれいな女性になってた。
去年よりも君は大人に(きれいに)なったけど、僕は、そんな君を大切な人だと気付かない、子供のままだった。
まだガキみたいな「僕」からは、「君」はとてもまぶしく見えたに違いない。
「きれいになった」と何度も出てくるのはそういう意味なんだよね。

「時計を気にしてる」には、
汽車が来るまでに、この、気付いてしまった気持ちを伝えようかどうしようかといような焦りが見える。
汽車が来るまでに、伝えたい事があったから時計が気になってたんだ。
「動き始めた汽車の窓に顔を付けて 君は何か言おうとしている」
このあと彼女はおそらく「さよなら」と言った。大切なおさななじみへ、だ。
でももっと、何か言いたくてもどかしい思いをしていたのは、むしろ「僕」のほうだった。

自分は男で、おさななじみは女性だったって事に気付くのが遅かったんだ。
付き合ってるどころか、「好き」さえ言えてない。

気持ちがはっきり言えてないという、どこか幼さも見え隠れする2人は、
大学卒業の春じゃなくて、高校卒業の春と、私の中では設定してるんだよね。

ちなみに「なごり雪」という言葉は辞書に載っていない。
ただ、2013年に気象協会が「季節の言葉」として「なごり雪」を認めたらしい。おそっ。

「君が去ったホームに残り 落ちてはとける雪を見ていた」
茫然と立ち尽くしながら見たなごり雪は、
どんなに冷たく感じただろうか。
落ちては消え、また落ちては消えていくたくさんの雪は
君が去ったことで、波のようにあとからあとから押し寄せてくる虚しさに、見事にオーバーラップする。
「落ちてはとける雪を見ていた」は、一見なんてことない雪の描写だけど、
「僕」の、寂しさ虚しさ切なさを表す、見事なフレーズだよね~。

はー。名曲ぅ~。


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